人工減少に伴う佐久市臼田地区の4小学校を1校に統合して開校する小学校。
第1工区は、 管理特別教室棟・多目的ホール棟・体育館棟・バス待合所・バス停・駐車場を含む外構 が工事範囲となっている。
基本設計段階で2度のパブリックコメントを実施し、建設地の地元区への説明会も何度か実施。
有識者及び4小学校の教頭先生、市民代表を交えて、協議会を2年以上にわたり実施・参加している。
敷地は東西に4m弱の高低差があり、県道と市道に3方向面する水田を都市計画法第29条の開発行為申請することで敷地を確保した。
周辺には民家が多く、臼田地区内には瓦屋根や土蔵、しっくい壁、板張壁、格子戸を備えた建物も多く、校舎の意匠に引用している。
また馴染みやすさ、親しみやすさを持ちながら、重厚感やシンボル性を備えたファサードを目指している。
市内の他校とのバランス・配慮もあり、ゾーニングや諸室面積は同等規模としている。
敷地周囲は住宅地が多く、建物を隣地境界・道路境界からのセットバックを多く確保し、隣地に近い場所ほど
建物高さの低い用途を配置し、日影の影響を抑えている。
校舎自体は1階では回遊性のあるプランとし、開放的な中庭を据え、児童の心の拠り所の空間となることを想定。
また地域にも開放された資料室(コスモギャラリー)を計画。統合される各校の資料や文化財を保管・閲覧できる空間を配置している。
バス通学の児童もいる為、ロータリーをもつ駐車場とバス待合も計画。
屋上をペデストリアンデッキ(人口地盤)とし、浅間山や稲荷山といった、地域を望める空間を設けている。
施工段階においては、分離発注による学校6社、給食センター3社、合計9施工業者による調整が必要となり、
19か月に渡り、工程管理と工事監理に従事。
特に給食センターが同敷地となったことで、工事エリアに余裕が無くなり、各工事との調整が必要となった。
施設を使う子供の思い出、地域・地区のシンボル、心象風景の一つとなるような学校生活の場を提供できればと考えている。
着工は令和3年7月(起工式 2021年7月21日)
竣工は令和5年2月、開校は同年4月から。