信州唐松の産地として知られる長野県南佐久郡小海町に建つ児童館の増築計画であり、既存児童館も弊社設計監理により約30年前に完成している。
施設の中心は、幼児と保護者、小学生が時間帯を分けて利用する多目的交流空間「おひさまひろば」である。
多くの子供を主体とした利用者を受け入れる「空間の広さ」を確保するため、木とスチールによるハイブリッドトラスとすることで無柱空間を木造で実現した。
県産材・地元産の唐松材を積極的に用い、木質を基調としながら、空間の高さ、色、素材に変化を与え、様々な居場所を生み出している。
計画地西側には地域の象徴である千曲川とJR小海線が走る。西面に開口部を設け、この場所ならではの風景を内部に取り込んでいる。
敷地は千曲川に向かって大きく下るため、その高低差を積極的に利用し、すべり台やトランポリンなどの大型遊具を異なる床レベルにまたがって配置することで、空間を緩やかに分節しながら、上下方向につながりを持つ立体的な遊戯空間としている。
外観は既存児童館との調和を重視し、切妻屋根や屋根・外壁の色調を揃えた。
一方で素材やテクスチャー、張り方を変えることで、既存棟を継承しながらも新たな表情を与えている。
寒冷地の気候に対応するため、床下ダクトレス全空気式床輻射冷暖房を採用しつつ、中間期には千曲川からの涼風を取り込めるよう各居室において二面開口を設け、設備だけに頼らない環境計画としている。
大空間だけでなく、小さく籠る図書空間「あなぐら」、千曲川に開いた授乳スペース、相談室、学習室など、大小様々な居場所を設け、多様な施設運営に対応できる構成としている。