佐久市内に本店を置く種苗会社の倉庫の新築。
佐久市分譲の工業団地に立地。
従来、当地においてはこの規模の建築は鉄骨造で設計をすることが一般的である。
今回は中規模建築を木造で進めることを国も推奨していること、基礎を含めた建物全体のコストダウンの為、木造で設計している。
ところが、徐々にウッドショックが騒がれ始め、最終的には木造であってもコスト増になり、概算工事費を若干オーバーしたため、仕様調整は行っている。
とはいえ、同時期の鉄骨造と比較しても工事費とすれば抑えることが出来たと思われる。
倉庫部分のロングスパンは木造トラスとし、構造材現しとしている。事務所部分は将来的な利用も想定し、内部木質化に注力し、執務環境を整えている。
色彩はコーポレートカラーのグリーンをベース色、アクセント色としている。
複雑な形状は避けながら、ヴォリュームの異なる事務所部分と倉庫部分を外観上も異なる意匠としている。
工業団地の入口に建つ建物としてアイキャッチとなるように努めつつ、奇抜さよりも、端正さを重視したデザインとしている。
手間はかかるものの、木造でなければ得られない空間の温かみや架構の美しさ・力強さを提供できたのではないかと思う。